足首のねんざ???

新米院長まついです。
今日は足関節でよく見る ‘ねんざ’ のお話です。
私たちは日常的に捻挫という言葉を使用しますが、ねんざは定義が非常に曖昧な言葉です。
関節に外力が加わって起こるケガで、脱臼や骨折を除いた外傷のことです。
・・・・?
そうなんです。ねんざって、いろいろなものを包括した疾患名なのです。
関節を構成する靭帯、関節包、神経などの完全な断裂などでなければ全てねんざの範疇となります。なので、ねんざだから1週間で良くなるとか、ほっとけば良くなるということでもないのです。
ねんざの中でも、足関節(足首)のねんざは外来の診察の中で多く見かける病態です。
まず診断に大切なのは受傷状況・直後の処置と経過・外傷歴・背景(スポーツ歴・職業)・合併症の把握です。捻挫と決め込んで外側側副靱帯のみの診察をしてしまうと診断に到達できない可能性があります。

スポーツの種類・特性から障害部位が推測される競技
・ジャンプ動作(バスケ、バレーなど):基本的に外側靱帯
・切り返し(サッカー、バスケなど):外側が中心、慢性化していることもある
・タックル(ラグビー):脛腓靱帯、三角靱帯
受傷の仕方から障害部位が推測されるもの
・過底屈損傷:リスフラン損傷、距骨後方突起骨折

こうしてみると足関節捻挫の診断って大変です。
足関節の捻挫で一番多い内返し捻挫を診察する際に、よく患者さんに不思議がられることがあります。患者さんは外くるぶしが痛いっていうのに、内側、後方、中足部など関係ないところばかり触っていきます。その中で患者さんの訴えがない場所に圧痛(押たら痛い)があるとある程度受傷の仕方が推測でき、検査の必要性、種類が判断できることがあります。

私が整形外科医として研修医となった時は、‘足の外科’を名乗る先生は多くありませんでした。今でも多くはありませんが、足の外科を標榜される先生方がおられます。
小倉で開院されている白仁田先生も日本の足の外科を代表する先生のお一人です。九州労災病院での研修医1年目でお世話になりました。2002年当時、多くの手術をこなされていたので、いつも二人の病棟回診は消灯時間あたりでした。足は部品が細かく、動きが小さい割に全体重、運動の負荷を支えるので運動障害に繋がりやすいことを学びました。

今日は文章だけになってしまいました・・・