松葉杖の正しい使い方

こんにちは!
本日は看護部からの投稿です。
整形外科では、松葉杖を怪我や骨折をした際に使用します。
間違った松葉杖の使い方は、思わぬ神経障害や転倒につながります。
そこで、今回は正しい松葉杖の合わせ方・使い方をご紹介します。

まず、松葉杖の合わせ方です。(右膝を怪我したと想定しています。)
当院では看護師が調整します。
① 松葉杖の先端をつま先の15cm前方、外側に置きます。
② 松葉杖上部は、腋窩(わきの下)から2~3横指(5cm程度)空けた位置に置き、握り手に肘が軽度屈曲する高さで、大転子の高さとなるよう位置を調整します。
③腋窩(わきのした)では体重を支えず、腕で支えます。
(脇の下で支えると腋窩神経という神経が圧迫され神経障害が起こる可能性があります。) 

次に、松葉杖の使い方です。
両方の松葉杖(両松葉)を使う場合、片方の松葉杖(片松葉)を使う場合があり、怪我の種類、程度により医師より指示があります。

両松葉杖の場合:
①両松葉杖と患肢(怪我や骨折をしている側)を同時に前に出す。
②腕に体重をかけ、患肢の免荷(体重をかからないようにすること)を守りながら健側を前に出す。(免荷については主治医の指示いましょう)


片松葉杖の場合:
片松葉杖の場合、健側(怪我や骨折をしていない側)で松葉杖を使用します。
松葉杖と患肢を出して、健側の足を出します。

松葉杖使用POINT☝️
・杖の長さ、握り手の高さが合わないと、歩行が不安定となり転倒の原因となるので、正しく合わせる。
・脇で支えると、神経を圧迫する事があるので、脇ではなく腕で体重を支える。
※注意
雨の日などで床や道路が濡れていると滑りやすくなりますので十分ご注意ください。
当院では、主治医から松葉杖使用の指示があった際は貸出をしています。
貸出時に保証金として5000円をお預かりしますが、松葉杖ご返却の際に全額返金いたします。
また、骨折などで足底にシーネ(添木)をつけている場合は、ご自身の靴が合わないことがあります。当院でギプス用のシューズを取り扱っていますのてご相談ください。


留学していたオーストラリアのビーチです!
暑い日が続きますが、私は夏が一番好きな季節です。今年も花火大会や海に行って、夏満喫中です🌻🍉暑いとビールが最高ですよね。ビールもいいですが、最近は水を2L飲むようにしています。最初は普段飲まない量の水を飲むのは苦しいと思っていましたが、お肌と排便の調子がいいので継続しています。
楽しいイベントが沢山ありますが、熱中症に気をつけてこまめに水分摂取をましょう🌞💦

脈拍ではなく、脈博!@福岡ドーム


福岡ドームに浮かぶのは大きな心臓バルーン!
脈博という医師会主催イベントに行ってきました。
市民向けの医療機器・技術の展示、体験イベントでした。
SAMさんのダンスやDJ KOOさんのトークイベントなどありました。
息子は心臓カテーテル治療体験に参加しました。
冠動脈に詰まった血栓を除去して、
‘先生、手術成功です!患者さんが喜んでいます!’
と褒められていました。

医療財政、人材不足と医療は現在難しいものがありますが、
やはり医療の楽しいところは患者さん・ご家族に良かったと
言ってもらえるところだと思います。
息子は何になるのだろう?
今のところ、大谷選手になるそうです(笑)
ぜひなってくれ!
娘はステージのダンスに参加し、誰よりも激しく踊っていました。
娘の方は将来 ‘すみっこぐらしのしろくま’ になりたいそうです、、、
夢は語らなきゃかなわない!お父さんは応援します。

すみっこぐらしはうんこは投げませんよ!


夜は・・・
煙の少ない花火があるんですね。
夏休みももう中盤です。
只隈商店にスイカを買いに行かなくちゃ!
(町の八百屋さんですが切り花もおすすめです)

足首のねんざ???

新米院長まついです。
今日は足関節でよく見る ‘ねんざ’ のお話です。
私たちは日常的に捻挫という言葉を使用しますが、ねんざは定義が非常に曖昧な言葉です。
関節に外力が加わって起こるケガで、脱臼や骨折を除いた外傷のことです。
・・・・?
そうなんです。ねんざって、いろいろなものを包括した疾患名なのです。
関節を構成する靭帯、関節包、神経などの完全な断裂などでなければ全てねんざの範疇となります。なので、ねんざだから1週間で良くなるとか、ほっとけば良くなるということでもないのです。
ねんざの中でも、足関節(足首)のねんざは外来の診察の中で多く見かける病態です。
まず診断に大切なのは受傷状況・直後の処置と経過・外傷歴・背景(スポーツ歴・職業)・合併症の把握です。捻挫と決め込んで外側側副靱帯のみの診察をしてしまうと診断に到達できない可能性があります。

スポーツの種類・特性から障害部位が推測される競技
・ジャンプ動作(バスケ、バレーなど):基本的に外側靱帯
・切り返し(サッカー、バスケなど):外側が中心、慢性化していることもある
・タックル(ラグビー):脛腓靱帯、三角靱帯
受傷の仕方から障害部位が推測されるもの
・過底屈損傷:リスフラン損傷、距骨後方突起骨折

こうしてみると足関節捻挫の診断って大変です。
足関節の捻挫で一番多い内返し捻挫を診察する際に、よく患者さんに不思議がられることがあります。患者さんは外くるぶしが痛いっていうのに、内側、後方、中足部など関係ないところばかり触っていきます。その中で患者さんの訴えがない場所に圧痛(押たら痛い)があるとある程度受傷の仕方が推測でき、検査の必要性、種類が判断できることがあります。

私が整形外科医として研修医となった時は、‘足の外科’を名乗る先生は多くありませんでした。今でも多くはありませんが、足の外科を標榜される先生方がおられます。
小倉で開院されている白仁田先生も日本の足の外科を代表する先生のお一人です。九州労災病院での研修医1年目でお世話になりました。2002年当時、多くの手術をこなされていたので、いつも二人の病棟回診は消灯時間あたりでした。足は部品が細かく、動きが小さい割に全体重、運動の負荷を支えるので運動障害に繋がりやすいことを学びました。

今日は文章だけになってしまいました・・・

カッパスロン中止・・・クリニック看板設置

新米院長2ヶ月目のまついです。
毎日毎日過去最高を更新の暑い日が続きますね。
脱水、熱中症には気をつけてくださいね。

私は学生時代に自転車レースをしていただ時期がありました。大学1年の時には、のちにF1レースで活躍する佐藤琢磨さんが全日本選手権で優勝していた記憶があります。私は草レースで賞金をもらう程度でした。(最高賞金1万円!)
今年ダイエットを兼ねて自転車を再開し、3月に朝倉サイクルフェスティバル50km走りました。調子に乗り、8月末に筑後川カッパスロン(スイム1km+自転車40kmのみのデュアスロン)に申し込みしておりました。毎朝10−20km自転車トレーニング、子供と一緒にビニールプールでのトレーニングをしていたのですが、一昨日中止のお知らせメールがきました。


残念ですが、被災された方々のことを考えるとそれどころではありません。
1日も早い復興を祈っております。



クリニックの方ですが、ロードサイドに初めての看板がかかりました。
青空の色だけ見えるとカルフォルニアですが、桜坂のはなみずき通り(新道:写真の左下)です。20年以上前に私が住み始めた頃は、けご本通り(旧道:写真の右下)しかありませんでした。看板の上に見えるみず崎さんは10年以上お世話になっている居酒屋さんで、お魚、ふわふわさつま揚げ、鰯の梅肉詰めなど美味しいお店です。その隣にはモンマルトルで修行された美味しいお菓子屋さん、オーフィルドゥジュールさんがあります。
地下鉄が通り、新道ができ、徐々に建物が建てかわり、まつい整形外科が加わり、新しい街になりつつあります。

駐車場のご案内

受付からのお知らせです!
駐車場と最寄り駅をお尋ね頂くことが多いのでご案内します。

〈駐車場〉
クラシオン桜坂2階、3階に施設専用駐車場があります。
駐車券をクリニックまでお持ちください。3時間無料処理をします。


*3階奥の屋根付き部分は契約駐車場になりますので駐車できません。
駐車場奥にあるエレベーターでM2階へお越しください。

〈最寄り駅:市営地下鉄桜坂駅〉
福岡市営地下鉄七隈線桜坂駅2番出口より薬院側へ約200m直進するとクリニックです。



〈最寄りバス停:西鉄バス雙葉学園入口〉
★六本松方面からはバス停降りてすぐです。

★薬院方面からは道路を渡っていただき50mほどです。

エレベーターでも階段でも入り口にアプローチできます。


階段左手に入り口が見えます。


シーバー病

新米院長まついです。
経験したことのない猛暑が続きますね。
我が家のこどもたちは暇を見つけてはビニールプールで水遊びをしています。
子供の体力ってすごいですね。
暑い日に来院される際は水分摂取など十分に行いながらお気をつけて来院ください。


今日は子供繋がりでシーバー病です。
小学校高学年〜中学生くらいの成長期でスポーツを頑張っているお子さんで見られる状態です。踵を痛がっていると言って受診されることが多いです。
踵の骨(踵骨:しょうこつ)にある成長中の骨(骨端核)に過度な負荷がかかり分離(骨折)した状態です。以下がシーバー病(初期)のレントゲンになります。

レントゲン:骨端核に一部黒線が見え骨炭核の分節化が起こっています

原因としては、運動などによる過度な負荷がかかっていることが多いようです。
荷重時痛や圧痛があります。
治療法としては、基本的に保存療法(手術以外の治療方法)となります。
痛みのコントロールとして、アイシング療法、湿布などの外用使用、(痛みがひどい場合に注射による消炎鎮痛)、超音波などによる消炎・鎮痛
損傷部位に対する安静目的に、スポーツの休止、松葉杖などでの免荷、足底装具の使用
再受傷予防のため、柔軟性の評価・改善、歩容・走行の評価・指導、靴の指導
などを行います。
外観上は分かりませんが、骨の怪我であり、治療期間が数ヶ月と長期化することもあります。
スポーツをされている成長期のお子さんが繰り返し踵の痛みを訴えられる場合は早めに医療機関(整形外科やスポーツ整形外科)にご相談ください。

フィジオ5D

今日はリハビリテーション部からの投稿です。
今回は干渉波治療器『フィジオ5D』について説明します。
主に痛みに対しての治療に用いる干渉波治療器です。
対象疾患としては、腰痛、変形性膝関節症、肩関節周囲炎などの痛みに対して、幅広く対応できます。また当院で採用しているフィジオ5Dは、急性、慢性(筋性、神経性、関節性など)両方に対応でき、EMSモードでトレーニングと併用することで、より筋肉に刺激を与えるなど、患者さんによって、治療方法を変更することができます。
干渉波とは複数の異なる周波数の電流を交差させたときに発生する新しい周波数の電流のことを言います。干渉波の刺激で筋肉を収縮させ、筋ポンプ作用を働かせることで、痛みのある部位や筋肉が硬い部分に対するマッサージ効果や血行促進効果、鎮痛効果が生まれます。
従来の干渉波は単一電極導子を用いるタイプが一般的でしたが、このフィジオ5Dは特殊な複数の電極を用いた干渉波電流を3次元的に発生させることができ、より深層部(股関節など)のポイントに刺激を届かせやすくなっています。下の図のようなイメージです。

みなさんご存知の数々のトップアスリートもフィジオ5を使われています!あの有名選手は普段のリカバリーの一環で使用されたり、登板間に腕や肩の疲労を取るために使われているそうです。是非、SHOWタイムで痛みやコリの緩和、血流改善を実感されてください!

先日地域のミニバスケでトレーナー活動を行ってきました。
夏の体育館は蒸し暑く、その中で運動しながら汗をかいている小学生に感銘を受けました。
バスケットボールは、足関節捻挫や腰痛などが起こりやすい種目です。
そんな時は、このフィジオ5Dの出番かもしれません。
スポーツに限らず、痛みがある方は一度病院でご相談ください。

ギプスシーネの包帯について

本日は看護部から投稿です。
足関節に靭帯損傷、骨折などでギプスシーネをした際の包帯の巻き方について紹介します。
(担当医からご自身で巻き直して良いと言われた場合のみ行ってください)
今回はらせん巻きという方法です。
用意するものは、使用中のギプスシーネ(シャーレ)と包帯、包帯を止めるテープです。
巻き方の基本として、以下を必ず守ってください。
・静脈血が末梢にうっ滞するのを防止するため、心臓より遠い所から心臓に近い方に向かって
 巻きます。
・きつく巻いたり、一部分だけ締め付けた場合、血流障害を起こすことがあるため、
 適当な圧(シーネが固定される最低限の圧迫)で均一に巻きます。
 伸縮性のある包帯を使用する場合、巻き終わった後に締め付けが強くなることがあるので
 注意が必要です。
包帯を巻く際は、手の中で転がすように巻くとスムーズに巻けます。
以下のように持つと巻きやすくなります。

包帯端を斜めに出して、1周。最初に斜めに出した端を折り込んで2周目をまくと解けにくくなります。

足首付近までは前に巻いた包帯の1/2-1/3くらいが重なる様に斜め上に上がっていくよう巻いていきます。

足関節のカーブしたところは、足首→甲→足首→甲の順番で交互に8の字状に
巻いていきます。(しっかり固定されるように2、3回交互に巻きます)

ギプスシーネ全体を膝側まで巻き終われば、今度は足先側に戻り、
十分な患部の固定ができたら、端をテープで固定し、終了です。
ギプスシーネ装着中に、
・安静にしているのに痛みが強くなる(患部の腫脹による締め付け)
・爪の色が紫色になる・冷たくなる・痺れが出る(腫脹による血流障害)
場合は、すぐに包帯を外して症状が改善するか確認してください。改善しない場合は固定してもらった病院へ連絡するか、土日夜間などで連絡がつかない場合は救急医療情報センターもしくは救急病院に相談してください。

謎の腰痛の原因・・・Modic変性

新米院長まついです。
とあるオンライン講演会に参加しました。
普段は関東のみで行われる講演会ですが、コロナの影響でweb開催となっており福岡で聴講出来ました。オンラインのお陰か250人ほどの先生が聴講されておりました。
講演会のスピーカーである先生は現在60歳、講演に際して、まず還暦チャレンジと称して、鉄棒で前方支持回転からの着地をバッチリ決めておられました。お若い!
さて、腰痛という言葉はみなさんご存知と思います。外来診療でもほぼ毎日腰痛の方と出会います。出来るだけ腰痛の原因を突き止めて、痛みが治った後の予防についてもアプローチをしたいと考えていますが、原因がよくわからない腰痛に出会うこともよくあります。
今回はそのような腰痛の中で、Modic変性についてのお話がありました。 
  

    終板の図

Modic変性は、椎体の上下にある終板と呼ばれる軟骨組織に起こる変性(加齢変化)と言われてきました。MRIで描出することができ、腰椎のMRI撮影をしているとたまに見かけます。1988年にModic先生が報告し、近年その病的意義が検討し直されています。


   Modicの模式図
MRIでの見え方でType1〜3に分類

Type1骨髄浮腫(血管増生・炎症), 2脂肪変性, 3骨硬化 
1→3の順に進行すると言われています

近年、Modic変性は実は感染症ではないかという報告が出ています。原因菌が弱毒菌(アクネ菌)であるため、感染が酷くならず、場合によってはいずれ自然に治っていくというストーリーです。演者の先生の外来では、ステロイド+抗生剤の治療を行われておりました。奏功率は60%程度(Modic Type1 : 急性期)あるそうです。手術により椎間板を洗浄することで改善することもあるとのこと。
Modic変性の方の痛みの特徴として、起床時のつらい腰痛があり、活動しだすと痛みが目立たなくなるようです。
今まで腰痛単独ではMRIを行うことはあまりなかったのですが、Modicを疑う腰痛には積極的にMRIを行って良いのかもしれません。