新米院長まついです。
とあるオンライン講演会に参加しました。
普段は関東のみで行われる講演会ですが、コロナの影響でweb開催となっており福岡で聴講出来ました。オンラインのお陰か250人ほどの先生が聴講されておりました。
講演会のスピーカーである先生は現在60歳、講演に際して、まず還暦チャレンジと称して、鉄棒で前方支持回転からの着地をバッチリ決めておられました。お若い!
さて、腰痛という言葉はみなさんご存知と思います。外来診療でもほぼ毎日腰痛の方と出会います。出来るだけ腰痛の原因を突き止めて、痛みが治った後の予防についてもアプローチをしたいと考えていますが、原因がよくわからない腰痛に出会うこともよくあります。
今回はそのような腰痛の中で、Modic変性についてのお話がありました。
終板の図
Modic変性は、椎体の上下にある終板と呼ばれる軟骨組織に起こる変性(加齢変化)と言われてきました。MRIで描出することができ、腰椎のMRI撮影をしているとたまに見かけます。1988年にModic先生が報告し、近年その病的意義が検討し直されています。
Modicの模式図
MRIでの見え方でType1〜3に分類
Type1骨髄浮腫(血管増生・炎症), 2脂肪変性, 3骨硬化
1→3の順に進行すると言われています
近年、Modic変性は実は感染症ではないかという報告が出ています。原因菌が弱毒菌(アクネ菌)であるため、感染が酷くならず、場合によってはいずれ自然に治っていくというストーリーです。演者の先生の外来では、ステロイド+抗生剤の治療を行われておりました。奏功率は60%程度(Modic Type1 : 急性期)あるそうです。手術により椎間板を洗浄することで改善することもあるとのこと。
Modic変性の方の痛みの特徴として、起床時のつらい腰痛があり、活動しだすと痛みが目立たなくなるようです。
今まで腰痛単独ではMRIを行うことはあまりなかったのですが、Modicを疑う腰痛には積極的にMRIを行って良いのかもしれません。